遺産分割協議

目次
遺産分割協議とは
人が亡くなると相続が発生し、遺産の分割をしなければなりません。
民法において、故人と相続人の関係性ごとにどのような割合で遺産を相続するかという法定相続分の規定がありますが、相続人全員での話し合いが成立すれば、誰がどの財産をどのような割合で引き継ぐのか等を自由に決めることができます。
この遺産を誰がどれだけ相続するかを決める協議のことを遺産分割協議といいます。
故人が遺言書を残していて、その遺言書記載のとおりに相続手続きを進める場合、遺産分割協議は不要とされていますが、遺言書がない場合は相続人全員で遺産分割協議を進め、遺産分割協議書を作成しましょう。
遺産分割協議を行う以上、相続人全員の合意が必須ですので、特定の相続人(行方不明の相続人も含む)を除外して行った遺産分割協議は無効となるので注意しましょう。
遺産分割協議の進め方
遺産分割協議によって作成される遺産分割協議書は、不動産の名義変更、その他遺産の名義変更や換金手続きの際に提出を求められるため、対外的に誰が見ても内容が明確であるものを作成しておくことで、遺産相続手続きがスムーズに進み、また後々のトラブルを回避することもできます。
相続人を確定させる
遺産分割協議は相続人全員で行うものなので、まず相続人が誰なのかを明確にすることが重要です。
相続人を確定させるためには、故人の出生~死亡までのすべての戸籍謄本、改正原戸籍謄本を取得する必要があります。
故人の戸籍によって誰が相続人になるのかを確認したら、次に各相続人が現在生きているのかを確認するために相続人の最新の戸籍謄本を取得します。
家族内では誰が相続人であるか戸籍を調べるまでもないケースも多いと思いますが、遺産分割協議を提出することになる法務局やその他窓口においては、遺産分割協議が正しく行われているかを戸籍謄本、改正原戸籍謄本により確認されるので必ず取得してきましょう。
相続財産の調査
故人がお亡くなりになった日の時点で保有していた財産の種類とその価値を確認する必要があります。
■不動産
不動産については、法務局で故人が所有していた土地・建物の登記事項証明書を取得します。
この登記事項証明書は1通600円で、委任状等がなくても誰でも簡単に取得可能です。
故人が所有していた不動産を特定できない場合は、所有していた不動産があると思われる市区町村役場にて不動産の名寄せを請求することで、故人が所有している不動産の一覧を確認することができます。
建物については、建物の所在地の市区町村役場で取得できる固定資産税評価証明書に評価額の記載があります。
土地については、国税局のホームページで公表されている路線価を基準に計算することとなります。
■預貯金
故人が有していた銀行口座の通帳を探しましょう。
通帳を発見したらまずは記帳をしてお亡くなりになった日の残高を確認します。
また、銀行窓口でお亡くなりになった日の残高証明を発行してくれので、通帳記帳とあわせて発行しておきましょう。
通帳等が見つからない場合、口座を有していたと思われる銀行の窓口で確認をする必要があります。
■マイナスの財産
マイナス財産についてもよりも早急な調査が求められます。
借金の有無については契約書類や返済案内などのハガキがないか、預金通帳の引き落とし履歴の確認などを通じて調査していきます。
また、個人の借金情報を記録している信用情報機関に法定相続人として情報開示請求をする方法もあります。
遺産分割協議の実施
相続人及び相続財産の調査を終えたら、いよいよ遺産分割協議を行います。
相続人全員で、遺産を誰がどのような割合で相続するのかを話し合いましょう。
遺産分割協議は、相続人全員が一か所に集まって協議できればそれが良いですが、必ずしも一か所に集まる必要はありません。
電話やメールなどで協議を進めることも可能です。
ただし、遺産分割協議書には、各相続人の意思を証明するため、各相続人が実印を押印する必要があります。
遺産分割協議書の作成
遺産分割協議が無事に進んだら、その協議の内容を書面にして残します。
遺産分割協議書では、誰がどの遺産をどのような割合で相続することになったのかを明確に記載しましょう。
不動産については、登記事項証明書の表題部に記載されている内容をそのまま記載するのが望ましいです。
預貯金についても、やはり通帳の見開きページの内容をそのまま記載しましょう。
そして、遺産の名義変更等において、遺産分割協議の内容が相続人全員の意思のとおりで間違いないことを証明するため、相続人全員が実印を押印し、印鑑証明書を添付します。
遺産分割協議に期限はあるのか
相続放棄をする場合は法的な期限がありますが、相続することを決めて、その分割協議をすることに期限があるわけではありません。
ただし、相続税が発生する場合はその申告期限があり、相続税の申告には遺産分割協議書を添付する必要があるので、なるべく早く遺産分割協議を行う必要があります。
また、遺産分割協議を終える前に相続人の誰かが死亡してしまった場合、相続人の子等が遺産分割協議に参加することとなり、想定外に遺産分割が拗れるケースもあります。
相続人が未成年者の場合の注意点
相続人に未成年者がいる場合、遺産分割協議を親権者(親)が代理で行うことができます。
ただし親自身が遺産分割協議に参加する立場の場合、形式上そこには利害関係か成立するとみなされ、親であっても子の代理をすることができなくなります。
その場合は家庭裁判所に申し立て、特別代理人を選任する必要があります。
特別代理人は、基本的には候補者を挙げ、特に問題なければ家庭裁判所が候補者を特別代理人として選任します。
