コラム

遺族年金の受け取り

この記事では、遺族年金の手続について、東京都日野市・八王子市・立川市を中心に多摩地区で活動している行政書士の大槻卓也が解説します。

遺族年金とは、家計を支えていた人が亡くなった場合に遺族に対して支給される年金のことです。

家族の生活を支えていた人がいなくなってしまうと、養われていた家族は経済的にもとても苦しくなります。

そういった遺族の経済的な負担を軽減するために遺族年金という制度があります。

遺族年金には、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2つがあり、故人の年金加入状況によって、いずれかまたは両方の年金が遺族に支給されます。

遺族年金受給の要件

遺族年金を受給するには、「故人によって生計が維持されていたかどうか」が重要です。

遺族年金において、この生計維持に関する要件は次のとおり定められているのでしっかり確認しておきましょう。

①同居していたこと

②遺族の前年の年収が850万円未満であること、または所得が655万5000円未満であること

※原則であり、細かな例外はあります

遺族年金を受け取るのは誰か

遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」がありますが、それぞれルールが異なるので個別に紹介します。

遺族基礎年金を受け取れる遺族

遺族基礎年金の支給対象は、国民年金に加入していた故人に生計を維持されていた次の要件に該当する人です。

①子のいる配偶者(夫または妻)

②子

ここでいう子とは、結婚しておらず、かつ18歳到達年度の末日を経過していない子、20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の子のことをいいます。

また、配偶者については、民法の法定相続人の規定とは異なり、事実婚(内縁の夫または妻)であっても受給要件を満たします。

遺族基礎年金の支給額

遺族基礎年金は、遺族の子どもの人数により次のとおり計算されます。

子どものいる配偶者=780,100円+子の人数による加算

子の人数による加算は以下のとおり。

・第1子 224,500円

・第2子 224,500円

・第3子以降 74,800円

例えば、18歳未満の子どもが3人いる配偶者の場合、「780,100円+224,500円+225,400円+74,800円=1,303,900円」となります。

遺族基礎年金の支給停止

遺族基礎年金は、受給決定後ずっともらい続けられるものではなく、支給の停止や資格喪失要件があります。

①遺族補償による支給停止

亡くなった理由が「業務上の理由による死亡」で、遺族補償を受給できる場合、亡くなった日から6年間、遺族基礎年金の支給が停止されます。

②配偶者の所在不明による支給停止

遺族基礎年金を受給している配偶者の消息が1年以上不明になると支給停止となります。

この場合、子の申請によって配偶者の遺族基礎年金を支給停止し、子に遺族基礎年金が支給されます。

遺族厚生年金の故人要件

遺族厚生年金については、まず、故人に次のとおりの要件があります。

①被保険者が死亡したとき、または被保険者期間中の傷病が原因で、初診から5年以内に死亡した場合

②老齢厚生年金の受給資格期間が25年以上あるものが死亡した場合

③1・2級の障害厚生年金を受けられる者が死亡した場合

遺族厚生年金を受け取れる遺族は誰か

遺族厚生年金の支給対象は、厚生年金に加入していた故人に生計を維持されていた次の要件に該当する人です。

①妻

②子、孫

③55歳以上の夫、父母、祖父母

遺族厚生年金の支給額

遺族厚生年金は、遺族基礎年金とは異なり、故人の収入によって受給金額が異なります。

正確な年金の額は年金事務所で確認するようにしましょう。

遺族年金の請求方法

遺族基礎年金は市区町村役場、その他の遺族厚生年金は年金事務所で手続きを行います。

困ったら年金事務所に相談

年金事務所では、被保険者記録を保管しており、どのタイプの年金にどの期間加入していたかがわかるようになっています。

どの遺族年金を受給できる可能性があるのかを相談してみるのも良いでしょう。

また、公的年金は、複数の受給要件に当てはまったとしても受給できるのは基本1つの種類だけです。

例えば、障害基礎年金と遺族基礎年金の両方の要件を満たしたとしても、受給できるのはどちらか1つです。

受給すべき遺族年金が明確でない場合、どちらが有利になるのか、例外に該当するのか等、損することのないように年金事務所でしっかり確認するようにしましょう。