世帯主の変更と健康保険の手続き
世帯主が死亡した場合に必要な手続きにつき、日野市の行政書士大槻が解説いたします。
人が死亡すると、弔辞の他にも、故人が生前に契約していた関係を中心にさまざまな変更や解約の手続きをしなければなりません。
また、生前の療養や葬儀などのために支出した費用については、手続きをすることで補助を受けることができる制度があるので、あわせてそれらの手続きをしましょう。
まず、葬儀などに支出した費用の補助として葬祭費(埋葬費)の給付制度があります。
この制度は、故人が国民健康保険、健康保険、共済組合に加入している被保険者であった場合、葬儀等を行った人に給付金が支払われる制度です。
この申請は葬儀などが行われた日の翌日から2年以内という期限があるので注意が必要です。
次に、故人の生前に支出した医療費の補助として高額療養費制度があります。
この制度は1か月間に支払った医療費の個人負担額が高額になった場合、負担限度額を超えた分が払い戻される制度です。
目次
手続きに必要な戸籍謄本、住民票の写し、印鑑証明
人が死亡した後にしなければならない重要な手続きが相続です。
これにはざまざまな証明書などが必要になりますので、事前に確認しておきましょう。
相続の手続きで最も使用頻度が高いのが、故人(被相続人)や相続人の戸籍謄本です。
故人に関しては、出前から死亡までの連続した戸籍謄本が必要になりますので、生前に婚姻なので転籍している場合は、転籍前の本籍があった市区町村で、除籍謄本改製原戸籍を取得する必要があります。
転籍の回数が多ければその分取得しなければならない戸籍も多くなります。
これに対し、相続人に関しては、相続人全員の戸籍謄本が必要です。こちらは故人の戸籍謄本とは異なり、現在の戸籍謄本だけで問題ありません。
また、戸籍謄本(除籍謄本や改製原戸籍を含む)は郵送での取寄せも可能です。
また、不動産の相続登記を申請する場合など、個人の住民票(除票)の写しが必要になるケースもあります。
これは、相続登記の申請の際、登記簿上の所有者と故人が同一人物であることを法務局に証明する必要があるためです。
住民票(除票)の写しでは証明できない場合には、戸籍の附票の写しを求められることもあります。
不動産の相続登記や、故人の銀行預金の払戻手続きのために遺産分割協議書を作成する場合、相続人の印鑑証明書(印鑑登録証明書)が必要です。
遺産分割協議書には相続人全員の実印を押印するため、相続人全員分の印鑑証明書を取得します。
なお、相続人に関する戸籍謄本や印鑑証明書などは、発行後3か月以内のものでないと受け付けてもらえない場合があるので、取得するタイミングには注意しましょう。
世帯主の変更が必要になる場合
故人が住民票の世帯主であった場合、残された世帯員の人数や年齢などによって、世帯主の変更が必要になる場合があります。
例えば、残された世帯員が1人だけの場合か、残された世帯員が15歳未満の子どもと親権者1人だけの場合は、世帯主が自動的に決まるため、変更手続きは必要ありません。
世帯主の変更が必要になるのは、それら2つを除いた場合です。
残された世帯員が2人以上で、15歳以上の世帯員が複数いる場合です。
新しい世帯主を決めた上で、故人が死亡した日から14日以内に、住民票のある市区町村役場に世帯主変更の届出をします。
公共料金など支払方法の変更・解約
電気・ガス・水道など、故人が契約者になっている場合は、契約者の変更または解約の手続きをします。
特に、残された家族が故人と同居していて、これらの公共料金を故人の銀行口座から口座振替で支払っている場合は速やかに契約者の変更をする必要があります。
なぜなら、故人の銀行口座が凍結され、公共料金の支払いができない状況が続くと、電気・ガス・水道などの供給が止まることがあるからです。
固定電話がある場合は、故人が電話加入権を持ていたかどうかを確認しましょう。
電話加入権は相続財産であるため、加入権を相続人が承継することができます。
また、固定電話を今後使用しない場合は、解約の手続きのほか、利用休止や一時中断の手続きをするという選択も可能です。
例として、しばらくの間はその電話加入権を必要としないが、子供がひとり暮らしを始めた際に子どもに譲りたいという場合などです。
利用休止は、最長10年間電話加入権を預かってもらうことができ、その間の回線使用料は発生しません。
ただし、再度電話を利用する場合は、電話番号が変更になります。
一時中断は、毎月の回線使用料は発生しますが、無期限に加入権を預かってもらうことができます。
そして利用再開する際は、従前の電話番号を使用することができます。
これに対して、故人が携帯電話を持っていた場合、大手3社(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク)との契約については、解約をすることもできますし、家族(相続人)が契約を承継することもできます。
大手3社以外(主に格安SIMの会社)との契約については故人の契約を承継できないのが一般的で、解約手続きのみとなります。
公共料金の名義変更・解約手続きと、運転免許証の返却
公共料金の名義変更や解約の手続きについては、各会社の営業所に来店して手続きをするほか、各社のWebサイト上やFAXで手続きができる場合もあります。
いずれの場合も、故人のお客様番号や死亡した事実を証明する書類などが必要になります。
特にお客様番号については、公共料金の検針票または領収書に記載されている番号を事前に控えておくことをお勧めします。
運転免許証については、返納期限は定められていないので、さまざまな手続きが一段落してからでも構いません。
しかし、運転免許証は身分証明書にもなるので、紛失すると悪用される恐れがあります。
返納するまでは厳重に保管して、なるべく早めに最寄りの警察署や運転免許センターで手続きをしましょう。
なお、運転免許証を生前に自主返納して、その代わりに運転経歴証明書を取得している場合もあります。
この証明書は返納義務はありませんが、こちらも身分証明書になるものなので、取り扱いには十分注意しましょう。
返納手続きの際は、故人の運転免許証の他、死亡診断書あるいは個人の死亡した事実の記載がある戸籍(除籍)謄本が必要です。
